
シロハラインコ属 Caique , Pionites について
●再構築手直し中●
ここはシロハラインコ属についての記事であり、それぞれの種については別記事で
ズグロシロハラインコ図鑑
Black-headed parrot P. melanocephalus
シロハラインコ図鑑
Green-thighed parrot P. leucogaster
キモモシロハラインコ図鑑
Black-headed parrot P. xanthomerius
キソメシロハラインコ図鑑
Yellow-tailed Parrot , P. xanthurus
シロハラインコ属の概要
シロハラインコ属とはズグロシロハラインコとシロハラインコの名前を冠する4基亜種+1亜種で構成されるオウム目の分類です。
ぬいぐるみのような容姿から繰り広げられるエネルギッシュで滑稽な動きは愛嬌と魅力に満ちており、一般的に想像されるであろうインコ像とは一線を画します。
野生における主な分布域は南アメリカ大陸のアマゾン盆地周辺で、似た形の九州に例えるなら概ね北九州市・久留米市・熊本市・大分市を四方に囲ったよう範囲です。
以下、シロハラインコ属について掘り下げます。
※すべての記事に共通する前提 信頼度の高いと思われる情報を自分なりに精査した上でまとめるように心掛けていますが、情報源の大半は海外のもので、翻訳ソフト頼りの自己補完です。 仮に正しくとも進歩の早い分野では情報が古くなっている可能性もあります。 本質はあくまで自分調べの自分用の忘備録である事をご理解した上でご覧ください。
シロハラインコ属の再編
ここでの分類は基本的には国際鳥類学会議IOC Wolrd Bird Listに准じており、最新version11.2においてシロハラインコ属に変更はありません。
しかしながら既に改訂されたBirdLifeInternationalやIUCNに追従することは間違いないため、以下再編後の分類とします。
シロハラインコ属の構成内容
分類学においてシロハラインコ属とは下記の基亜種4と亜種1で構成されます。
1.黒い頭と白い腹が特徴的なズグロシロハラインコ、とその亜種1
2.オレンジの頭と白い腹、緑色の太ももが特徴的なシロハラインコ
3.オレンジの頭と白い腹、黄色い太ももが特徴的なキモモシロハラインコ
4.オレンジの頭と白い腹、黄色い尾羽根が特徴的なキソメシロハラインコ
和名については学名由来の通名ですが、名付けとして妥当であることから標準和名に採用されることを見越して使用します。
シロハラインコ属 Caique , Pionites とは
シロハラインコ属とは標準和名です。
英語ではCaique(カイーク、カイク、カイク-)と表されます。
世界共通の名称である学名ではPionites(ピオニテス)と表されます。
これらの由来は後述します。
シロハラインコ属の歴史
シロハラインコ属が学術的に登場するのは17世紀の中頃。
1758年にズグロシロハラインコ Pionites melanocephalus が分類学の父カール・フォン・リンネによって登録。
日本は第9代将軍徳川家重による江戸時代。
その62年後の1820年にシロハラインコ Pionites leucogaster がハインリヒ・クールによってが登録。
日本は第11代将軍徳川家斉による江戸時代。
和名の初登場がいつなのかは追えておらずながら、所持している1917年/大正6年の書籍には鷹司信輔公爵によってシロハラインコが紹介されています。
P. melanocephalus ズグロシロハラインコ基亜種
1758 CARL VON LINNÉ
P. leucogaster シロハラインコ基亜種
1820 Heinrich Kuhl
P. l. xanthomerius 亜種としてキモモシロハラインコ
1856 Philip Sclater
P. m. pallidus 亜種としてニシズグロシロハラインコ
1889 Hans von Berlepsch
P. l. xanthurus 亜種としてキソメシロハラインコ
1925 Walter Edmond Clyde Todd
P. xanthomerius 種へ昇格 キモモシロハラインコ
P. xanthurus 種へ昇格 キソメシロハラインコ
幻のズグロシロハラインコ属
分類学では先に見つかったものが基準となるため、シロハラインコ属の基準となるのはズグロシロハラインコ P.m.melanocephalus です。
シロハラインコ属の歴史を鑑みると、本来はシロハラインコ属ではなくズグロシロハラインコ属となるべきなのですが、和名は必ずしもそうなりません。
これは大正6年にシロハラインコのみが紹介されていることから、おそらく情報が入ってきていなかったのか、信憑性が無かったのか、ズグロシロハラインコに関する情報不足だったのだろうと推測します。折を見てもう少し探します。
カイークCaiqueの由来
先住民語族のトゥピ語で水鳥あるいは水の上を滑る者の意味を由来としています。
水の上を滑る者というのは、濡れた葉で滑りながらゴシゴシしている様子でしょうか。
この由来については信頼に値する裏付けが弱く、調べ直し中です。
ピオニテスPionitesの由来
シロハラインコ属の学名Pionitesの語源はギリシャ語で、Pionとitesの2つにわけて意味を繋げます。
pīon , pinos → 太った、肥えた、ぽっちゃり
itēs → 似ている
太った似ている、となりますが、何に似ているのかというと…

PionitesとPionusアケボノインコ属
アケボノインコ属の学名Pionusの由来はシロハラインコ属に直接関係します。
pīon から pinos , pionias , pionus に変化してPionusになりました。
すなわちPionitesとは太った体型のアケボノインコ属に似ているという意味合いです。
二属とも柔らかい表現だとずんぐりむっくりでぽってりした可愛らしいシルエットを比喩した命名由来です。
この二属PionusとPionitesはどちらもドイツの鳥類学者J.G.Waglerによる命名です。
100年ほど前の書に現在の分類ではアケボノインコ属のシロガシラインコとメキシコシロガシラインコがWhite-capped Caique、White-crowned Caiquと記載されていました。
シロハラインコ属とヒオウギインコ属
シロハラインコ属と縁の深いアケボノインコ属ですが、分子系統学においては話が変わります。
近年は核DNAやmtDNAなどよって飛躍的に研究が発展しています。
オックスフォードアカデミックに発表された2006年の研究論文で、新世界産インコArinaeのDNA配列が解読されています。
そして、シロハラインコ属はヒオウギインコ属と密接した関係にあることが明らかになりました。
さらにシロハラインコ属はコンゴウインコ&コニュアといった所謂コニュアの主流と同じクレードです。
アケボノインコ属はボウシインコ属、ワキアカボウシインコ属、ヨツボシミドリインコ属と密接な関係のあるアマゾン主流クレードです。
シロハラインコ属の親類はヒオウギインコ属で、アケボノインコ属とはもはや他人の空似といったところでしょうか…

野生下におけるシロハラインコ属の分布域
分布域についてはそれぞれの種の記事に詳細を記しますので概略のみ。
シロハラインコ属の分布域は、南アメリカ大陸のアマゾン川流域を中心に広がっており、アマゾン川を隔てた南北で棲み分けられています。
北側がズグロシロハラインコ、南側がシロハラインコです。
原産国では多数の国に跨るズグロシロハラインコに対し、シロハラインコはブラジル、ペルー、ボリビアの3ヶ国に留まります。
人間の線引きですが、国際取引においてこの違いは大きな差になります。
ペットバードとしてのシロハラインコ属
特徴といっても気質や性格は個体差も大きく関係しますので、大前提としてすべて私の経験上での主観です。
気質は、静動でいえば動のインコ、陰陽でいえば陽のインコ。
ズグロシロハラインコとシロハラインコで大きな違いは感じられませんが、若干ズグロシロハラインコの方がシャイ、シロハラインコの方が激しい個体が多いように感じます。
ぬいぐるみのような容姿もさることながら、シロハラインコ属が他のインコたちと大きく異なる特徴はその立ち居ふるまい。
一羽でも複数羽でも床で飛び跳ねたり寝転がったりしてじゃれる様子は、一般的に思い描かれているであろうインコのイメージから掛け離れたものでしょう。
まるでローリー&ロリキートを彷彿させるひょうきんな動きをみせてくれます。
飼主としてはインコの要求に応え続けるハードルが高いとも言えます。
1羽での飼育はシロハラインコ属に限らずオススメしないのですが、特にシロハラインコ属に関しては強くそう思います。
3羽4羽と増えていくと、それはそれで関係性によるイザコザが発生する場合もありますが、そもそも1羽と仲良しベッタリな関係を望むのであれば別のインコの選択を視野にいれた方が良いかもしれません。
毛引きの個体もチラホラ見かけますが、最初に構えていればいるほど暮らしの変化等で構えなくなった場合のギャップストレスが大きいというのは一因としてあるとは思います。
シロハラインコ属の身体能力
ズグロシロハラインコとシロハラインコで大きな違いはありません。
シロハラインコ属は長距離を飛ぶことよりも樹上での暮らしにステータスを大きく振り分けた身体能力です。
趾は器用で力強く、極端に薄い羽毛の層は羽を掻き分ければすぐに地肌が見えます。
シロハラインコ属の鳴き声
ズグロシロハラインコとシロハラインコでの鳴き声に大きな違いはありませんが、声量は体重に比例します。
そして比較的シロハラインコの方が活発な個体が多いように感じるため、それらを合わせてシロハラインコの方が賑やかな印象はあります。
絶叫鳴きの声質はアマゾンのジャングルでも響くように大きく甲高いものです。
少なくとも耳通りの良い響きではありません。
本来の鳴き声を知らずに育った孵卵器個体であっても一度聞けばすぐに覚えます。
人の言葉を真似たお喋りは得意では無いながら、幾つかの単語や効果音の音真似はします。
オスでもメスでも大差は無いように感じます。
シロハラインコ属の凶暴化スイッチ
シロハラインコ属は突然攻撃的に豹変する事があります。
瞬間湯沸かし器的に凶暴化モードとなって正気を失い、手に負えなくなります。
概ね完全に性成熟した5~8歳あたりからが本領発揮で、12歳から変貌したものも目にしています。
2,3歳で目が赤くなって噛み付いてきた!といったものは大抵お子様レベルで次元が違います。
ただ、突然のスイッチにも何かしら要因のはあり、関連付けや予測が可能な場合もあります。
例えば起因が掃除機といった物が見に映ったらスイッチONであれば対処は容易です。
発情や恋敵認定といった色恋沙汰が絡む場合は対処が非常に厄介です。
その場合、それはそれとして落ち着くまでうまく付き合う方法を無理なく模索するのが現実的だとは思いますが、普段から何かしらルーチンを作っておくと、正気に戻っていなくとも身体が勝手に従うということは可能です。
ターンすればおやつがもらえる、ケージに戻ればおやつがもらえる、など。
普段から暇過ぎにならないよう、満たされ過ぎないようにそういった遊びトレーニングを兼ねたルーチン作りやフォレイジング(フォージング)を工夫するのは有効かもしれません。
従順に可愛いのは2~3歳までで、攻撃的に変貌する事は当たり前。
ずっと穏やかなままならラッキーぐらいの心構えでいる方がいいかもしれません。
勿論ラッキーなまま10歳越えも珍しくはありませんし、一度も凶暴化スイッチが入ったことが無いというのは我が家にもいます。
雛
ズグロシロハラインコ
頭の黒いシロハラインコについて
http://opi.toumoto.net/blog/wp-admin/post.php?post=3129&action=edit
http://opi.toumoto.net/blog/wp-admin/post.php?post=3129&action=edit
http://opi.toumoto.net/blog/wp-admin/post.php?post=3129&action=edit
まいど!気ままなインコ くぴ~&ぐぴ~ | 山と溪谷社(・Θ・)たぶん世界唯一のズグロシロハラインコ写真集
→https://www.yamakei.co.jp/products/2814550100.html
The post シロハラインコ属図鑑/Caique,Pionites|ズグロシロハラインコ&シロハラインコ first appeared on 愛鳥写真家おぴ~とうもと.