鳥が感染するコロナウイルスのワクチンの開発に成功。
新型コロナウイルスの人用ワクチンへの応用に向けて研究を・・・
イスラエルの研究機関ミガル(Migal Research Institute)は鳥が感染するコロナウイルス向けのワクチン開発に成功したと発表。
鳥が感染するコロナウイルスと新型コロナウイルスの構造は非常に近く、ワクチンを人間に転用させることは難しくない。
新型ウイルスへの応用を進めるための研究を加速させ、安全性のテストなどを含めて5、6カ月後の実用化を目指す。
といった内容。
Newsweek日本語版 2020.3/10の記事にも掲載されています。
イスラエル最有力の総合ニュースサイトY-netにも掲載があり、こちらが大元かもしれません。
Israeli scientists claim coronavirus vaccine three months away
時事ドットコムの見出し「鳥向けワクチン開発」に興味が沸き、興味本位で調べながらのメモまとめとして…
だからどうなんという感じの内容ですが(・Θ・)
ミガル研究所は鳥類のワクチン研究を4年行っており、鳥がコロナウイルスに感染して疾患する「鶏伝染性気管支炎生ウイルス((IBV:Infectious bronchitis virus)」向けのワクチン開発に成功。
IBVはコロナウイルス科ガンマコロナウイルス属に属するRNAウイルスで、伝染性気管支炎ウイルスの感染による急性呼吸器病。
病名は「伝染性気管支炎(IBV:Infectious bronchitis virus))
鳥の罹るコロナウイルスという訳文記事でしたが、鳥全般ではなく主に家禽ニワトリ。
IBVは年齢や品種には関係なく全ての鶏に感染するが、若い雛の方が重篤化しやすく、年齢とともに抵抗力がある模様。
単独の感染による致死率は低いが、マイコプラズマや大腸菌など細菌による二次感染が発生しやすく、急速にすべての鶏へ感染が広がるため、発症個体は直ちに隔離、殺処分することが望ましいとあります。
IBVには一般の消毒薬が有効で、ワクチンも既に数種あるようですが、現在ではコントロールが困難になっており、日本を含めた世界中で頻繁に発生しているようです。
日本ではニューカッスル病と同列の届出伝染病に指定されており、伝染性気管支炎(IB)といえば愛鶏家や養鶏産業に携わる方なら誰でも知っているような疾病。
農林水産省動物医薬品検査所には講義資料が掲載されており、IBVについては平成28年の技術研修会の資料「最近の伝染性気管支炎の発生状況とワクチンによる対策」に最新ではないながら詳しく掲載されています。
また、他にも興味深い資料がまとめられており、動物用ワクチンの基礎知識の研修会資料も良い感じです。
蚊帳の外の素人ごときに言われたく無いでしょうが…
このコロナウイルスによる伝染性気管支炎がニワトリ以外のキジ目やインコなどオウム目など他の鳥類が罹るのかはよくわからずですが、今に始まった疾患でもなくこれまでの事例も無さそうです。
イスラエルのミガル研究所によるこのIBV用の鳥コロナウイルスワクチンは経口摂取(多分)とあったので、転用が実現したとして錠剤なんでしょうかね。
人への転用のハードルは低いとされていますが、開発プロセスは臨床許可次第とも述べられていて、すぐ許可がなされたなら最短3ヶ月程度でとあります。
現時点での経過はわからずでしたが、早ければ6月ぐらいには何かしらまた発表があるかもしれませんね。
ミゲル研究所の公式サイト | MIGAL – Galilee Research Institute
4/18の日本経済新聞WEBには
新型コロナ治療薬、開発急ピッチ 世界で治験650件 米国の臨床試験登録データベースによると650件が登録されている。
とあり、
臨床試験登録DB「ClinicalTrials.gov」で「COVID-19」をクエリ表示してみると657件(種ではなく件)が該当し、日本の登録は4件(2020.4/19 23:30現在)。
このうち治験までいってる臨床がどれぐらいあるのか見たかったのですが、よくわからず。
ミガル研究所のIBVからの転用についてもよくわからず
イベルメクチンは4月13日に登録され、進捗もあるようです。Ivermectin,covid-19
医薬品で調べものをするには、日本医薬情報センター(JAPIC)が良い医療機関サイトのリンク集を公開していて便利です。
■新型コロナウイルス感染症に疥癬治療薬イベルメクチンが効果を発揮
http://opi.toumoto.net/blog/general/12717/